肉の基本
わが国では、仏教伝来以降、長年、、明治に入るまで肉食が禁止されてきました。
明治時代からの豚肉や牛肉の普及は日本人のの栄養改善に役立ち、食文化に大きな変化をもたらしました。
肉の良し悪しや等級は、色、光沢、脂肪の色や質、肉のきめ、締まりなどで決めることが出来ます。
- 豚肉の肉質等級;色、光沢、脂肪の色や質、肉のきめ、締まりを総合的に判断して、極上、上、中、並に分けられる。
- 牛肉の肉質等級;5段階の等級に細かく分類されており、5等級は最も脂肪が多く、肉の色沢、締まり、きめ、脂肪の光沢と質がよいとされる。
ほぼオールマイティな豚肉、部位ごとに特色がある牛肉、世界で最も多くの民族に食べられている鶏肉
豚肉
食用として紀元前から飼育されていた豚肉が、日本で普及したのは明治の
中頃になってからです。
豚肉の部位には牛肉ほどの肉質差はなく、硬い部位とされる肩、バラ、ももでも大差はありません。
最も柔らかいヒレやロースを除けば、ほとんどの部位が何の料理にでも応用できます。
肩ロース
肩ロースは赤身に脂身が網目のよう混ざった肩の部分のロース肉です。
コクと旨味があり、焼き豚や焼肉、ソテーなどに向きます。
*おもな調理法:しゃぶ・すき焼き・生姜焼き・焼肉・ローストポーク・とんかつ等
ロース
豚ロースは、肩ロースに続く豚の胸から腰の部分にかけての背中の中央部分の肉を指します。
赤身と脂身の割合もちょうどよく、きめが細かく厚切り肉は片側に脂肪の層があります。
ロースの脂は上質では旨みと風味があるので、トンカツや生姜焼きなどに最適です。
*おもな調理法:しゃぶ・すき焼き・生姜焼き・焼肉・ローストポーク・とんかつ等
肩
最もよく動く部位になるので、筋の多い豚肩肉は挽き肉にして、餃子やハンバーグなどに最適です。
安価な細切れ肉も幅広い料理に重宝し、かたまり肉はたこ糸でくくり、煮込み料理やローストポークに用いると、脂肪が多少あるので長時間煮込むと肉質が柔らかくなり、いい味が出ます。
*おもな調理法:炒める・煮込み・焼豚・煮豚
ヒレ
最もきめが細かく柔らかい部分。
一頭から約800gほどしか取れない高価な最高級部位です。
脂肪がほとんどなく、柔らかい淡白な味の肉で、ステーキやトンカツに最適です。
*おもな調理法:とんかつ・焼肉等
もも
豚モモは脂身が少なく淡白な、きめの細かい赤身肉が特徴です。
比較的安価に購入でき、使い勝手がいいことから万能な豚肉と言えます。
酢豚や煮込み、炒め物や焼き豚に。
脂肪が少なくきめの細かいうちももと、柔らかく筋のあるしんたまに分けられます。
豚モモはボンレスハムに使用される原料でメジャーなハムとして愛されています。
*おもな調理法:しゃぶ・生姜焼き・焼肉・煮込み・とんかつ等
バラ
お腹の部分の肉のことを言います。
安くて豚肉の脂の旨味が楽しめる人気の部位です。
脂肪と赤身がほば3層になっているため、三枚肉とも呼ばれます。
赤身と脂身がほとんど同じような割合で交互に入っているものほど良質な肉とされています。
脂肪が多く風味豊かで、ベーコンの原料としてよく使用されます。
*おもな調理法:しゃぶ・すき焼き・焼肉・角煮・焼豚等・煮豚
スペアリブ
骨付きのバラ肉であるスペアリブは、タレなどに漬け込んで焼くバーベキューに最適。旨味が濃く、豚肉本来のおいしさで人気が高いです。
スペアリブとは、骨付きのバラ肉の事です。
タレなどに漬け込んで焼くバーベキューに最適です。
旨味が濃く、豚肉本来のおいしさで人気が高いです。
また骨を外した状態のものをマエバラといい煮豚にすると美味です。
牛肉
牛肉が日常食となったのは大正時代です。
良質のタンパク質を多く含み、人気の黒毛和牛をはじめ、褐毛和牛、日本短角種、ホルスタインなど多数の品種があります。
牛肉は部位ごとの特徴がはっきりしているので、料理によって正しく使い分けるのが良いです。
運動量が少ない部分は肉質が柔らかく背中の部分である肩ロース、リブロース、サーロイン、ヒレ、ランプなどが相当し、高級部位で評価ランクも高いです。
一方、運動量の多い、肩、すね、バラ、ももなどはきめが粗く肉質も硬いのですが、煮込み料理などに使うとエキス分、ゼラチン質などが豊富に含まれているため、かなり、旨味を発揮します。
肩ロース
頭に近い部分を肩ロースと呼びます。
筋があるので、旨味をより引き出すため、薄切りにしてしゃぶしゃぶやすき焼きで食べられることが多いです。
和牛は霜降りが多いです。
肩
運動量が多い部分のため、筋肉質でタンパク質が多く、脂肪が少ない肩の部分は、薄切りにして焼肉やすきやきに。
肩肉を分割するとミスジがとれます。
肉質はやや硬めですが、エキス分やコラーゲンが豊富ですので、じっくり煮込むと柔らかくなるため、ブロックは煮込み料理に適しています。
ヒレ
別名・テンダーロイン。
肉質は脂肪が少なく、極めてきめの細やかで柔らかな部位です。
淡白な味なので、タタキやステーキなど、さっと火を通す料理に。
バラ
赤身と脂肪が層になったいわゆる三枚肉。
濃厚な風味が特徴で、焼肉や牛丼、すき焼のほか、煮込み料理にも向いています。
リブロースとサーロインに接する部分は「ともばら」といい、カルビで知られます。
前足の内側および胸に当たる部位の「かたばら」はこま切れや挽き肉にして、ハンバーグなどにもおすすめです。
リブロース
背中の真ん中に位置するロース肉です。
筋も少なく赤身と脂身のバランスが良く、コクがあって風味の良い部位です。
霜降りでステーキやグリル、ローストビーフに最適です。
サーロイン
霜降りできめが細かく肉質も柔らかい、ヒレやリブロースと並ぶ牛肉の最高部位のひとつです。
形、香り、風味とも抜群で、牛肉本来の旨みが堪能できます。ステーキに最適で、どんな焼き加減にも対応できるすぐれた肉質が持ち味です。
ランプ
サーロインに続く腰の部分。
脂の少ないももの中では最も柔らかい赤身肉。
高品質のステーキは人気が高く、ロースト、すき焼、焼肉、たたきなど、どんな料理にしてもおいしくいただけます。
もも
牛肉の中で最も脂身の少ない赤身肉。
脂肪に囲まれた赤身の「内もも」、ゼラチン質の豊富な「外もも」など。
薄切りにして、焼肉から煮込みまで幅広く利用されています。
ローストビーフやたたきなど、かたまりで調理する料理にも向いています。
「しんたま」はきめが細かく柔らかで、刺身やユッケにも利用されます
アキレス
コラーゲンが豊富なアキレス腱は、煮込むとトロリと柔らかくなるのが特徴です。
おでん、煮込み料理、牛丼などに。
すね
足のふくらはぎの部分。
筋が多くて肉全体が硬めですが、長時間煮込むことでコラーゲンが溶出し、柔らかくなります。
脂肪が少なく、だしをとるのには最適な部位で、ゆっくり加熱するカレーやポトフ、シチューなどにおすすめです。
鶏肉
世界で最も多くの民族に食べられている鶏肉。
安価なブロイラー専用種の若鶏、地鶏の代表格の名古屋コーチン、比内鶏、薩摩しゃもなど種類も豊富です。
砂肝(砂ぎも)
砂肝は、砂嚢(さのう)と呼ばれる胃の筋肉の部分で脂肪がほとんどなく、こりこりとした食感が特徴です。
砂嚢から砂や石をきれいに取り除いて、料理しやすい状態に処理したものが「砂肝」として店頭に並べられます。
焼き鳥、から揚げ、炒め物に向いていまする。
別名、スナブクロ、サノウとも言います。
レバー
レバーは、鶏の肝臓です。
鶏の肝臓はきめが細かく、柔らかでクセがありません。
新鮮なレバーは生臭さも苦みもなく、口に入れた瞬間に濃厚なコクを感じられます。
周りの脂肪を除き、血抜きして用います。
白肝は、いわば鶏のフォアグラで脂肪がたまったものです。
せせり
首まわりに位置する肉です。
よく動く筋肉の部分なので、よく締まっています。
ももより脂身が多く、弾力があり、噛めば噛むほどジューシーな味わいがあります。
串焼きが定番、揚げ物にも適しています。
手羽先
手羽元を除いた羽端までの部分で、肉が少ないもののコラーゲンが豊富な先端と、肉厚で食べ応えのある部分(手羽中)で構成されています。
骨と脂肪が多く、コラーゲンも豊富な手羽先は、煮込み料理、焼き物に最適です。
先端を取り除いたものを手羽中ともいいます。
胸
鶏の胸部の肉で、脂肪が少なく柔らかい柔らかい肉質で、低脂肪なのであっさりとした味わいが特徴です。
焼き鳥で正肉といえばこの部分がほとんどです。
タンパク質も豊富で、どんな味にもなじみやすいので、唐揚げ、焼き鳥、蒸し物、揚げ物、炒め物、ゆで煮、サラダなどに向いています。
ささ身
胸肉の一部で手羽の内側にあります。
胸肉の上質な部分です。
たとえば牛肉で言うと「ヒレ」にあたる部位が鶏のささみです。
胸肉で手羽の内側にある、笹の葉に似た形の淡白な部分です。
形が笹の葉に似ていることで「ささみ」と呼ばれています。
手羽元
鳥の翼の上腕部分で、運動量が多く、手羽の中では最も肉が多く、食べ応えがあります。
から揚げや煮込みに用います。
肉厚なので切り込みを入れて調理します。
ウイングスティックとも呼ばれます。
もも
脚の先からももの付け根の部分です。
赤みがあり、肉質は胸肉より弾力があり、脂肪が多く、味にコクがあります。
骨付き肉のうち、中央の関節で切り離した下の部分を、「ドラムスティック」とも呼びます。
焼き物、煮込みに合います。